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更新日:2024年9月10日
地震や台風をはじめ、災害が発生した際、物流機能やライフラインの停止により、食品が手に入らないことが想定されます。支援物資が届くまでに3日~1週間かかると言われています。その間を乗り切るためにふだんから食品を備蓄しておくことが大切です。また、過去の災害から支援物資が届き始めたころの食事は、まずはエネルギー確保のため炭水化物中心になり、ビタミンやミネラル、食物繊維、たんぱく質が不足する傾向がみられます。栄養素の不足が長期化することにより筋肉量、免疫機能の低下や便秘などが生じやすくなります。栄養の偏りを防ぐために「主食・主菜・副菜」を意識することも重要です。
食品の家庭備蓄を非日常のものと考えるのではなく、日常の一部としてふだんから無理なく災害時の食の備えをしておくと、いざという時も自分や家族を守り、心のゆとりをもつことができます。家庭における備蓄の量は、最低でも3日分~1週間分(食に配慮が必要な人は2週間分)×人数分が望ましいといわれています。1人1日およそ3Lの水、調理しないでそのまま食べることのできる食品を確保します。
非常用に特別に作られた非常食のほか、日ごろから使用している常温保存可能な食品を買い置きし、ローリングストック法を実践することで備蓄食品とすることができます。
避難生活が長期化した場合に備えて、栄養の偏りを防ぐために「主食・主菜・副菜」を意識することも重要です。下の例を参考に、主食+主菜+副菜を意識してバランスの良い備蓄食品をそろえましょう。災害の際は、ガス・電気が一定期間利用できなくなることがあります。そのまま食べられる食品や、水を注ぐだけで完成する食品はとても役立ちますが、被災後は「あたたかいもの」を食べたいと感じる人が多いようです。そんな時に活躍してくれるのがカセットコンロ!ガス・電気が使えない場合にもごはんやスープなどの加熱・調理をすることができます。あたたかい食事は体もあたたまり、緊張感や不安を和らげてくれます。その他、使い捨て容器や食品用ポリ袋、ラップなどの家庭用品を備えておくと役立ちます。
出典:家庭備蓄ポータル(農林水産省)
災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産省)(外部サイトへリンク)
過去の災害で、「用意していた備蓄食品の期限が切れていた」「パッケージにほこりや傷がつき、衛生的でなかった」「パサパサしていて、おいしくなかった」などのトラブルがあったそうです。せっかく家庭備蓄をしていても、いざというときに使えないのでは意味がありません。そんな教訓を踏まえて生まれた方法が「ローリングストック法」です。
ローリングストック法は一定期間保存が可能な食品以外にも、例えば月に1食分以上消費する等、循環のサイクルを短くすることで、期限が短いものも備蓄食品として取り入れることができます。ふだん食べている食品を備蓄食品として家庭備蓄することができ、災害時に口に合わなかったり、作り方が分からないなど戸惑うことも少なくなります。また期限内に食べきることが容易になり、食品ロスを防くことにもつながります。
✅まずは、ふだん食べている食品を多めに買って、備える
✅ふだんの食事で食べる
✅食べたら買い足して、補充する
この方法は、長期保存が可能な食品(非常食)缶入りパンや調理不要なレトルトかゆ・雑炊などにも活用でき、キャンプや山登りなどのアウトドアやふだんの食事で非常食を取り入れてみる等して消費し、買い足すことでいざ使用する際に「パッケージにほこりや傷がつき、衛生的でなかった」ということを防ぐことができます。家庭備蓄の例を参考に、自分にあった食品を無理なく備えてみませんか
詳しくは 食品ロスにしない備蓄のすすめ【ふだん使いでカンタン備蓄】(消費者庁)(外部サイトへリンク)
乳幼児や高齢者(食べる機能が弱い方)、疾患のある方、食物アレルギーがある方などがご家庭にいる場合は、その人に会った食品を3日~1週間分ではなく、災害時は、流通が再開されても食品が入手困難な可能性が高いため2週間分を日ごろから用意しておくと安心です。
✅粉ミルク
環境が変わり体調が変化することで母乳が出にくくなることがあります。粉ミルクと一緒にほ乳瓶やガーゼ等を持っていくと便利です。
✅離乳食
支援物資を再加熱して柔らかくして食べられるように、小鍋や熱源も用意しておくことが重要です。備蓄食品は粉末果汁、フリーズドライのベビーフード、レトルトの粥等を用意しましょう。皿やスプーン、ガーゼ等食事が供給できるものを一緒に備えておきましょう。
✅水
脱水症状になりやすいため準備しておきましょう。粉末タイプやフリーズドライの離乳食を作る際に必要になります。多めの飲料水を用意しておく必要があります。
詳しくは災害時に乳幼児を守るための栄養ハンドブック(公益社団法人日本栄養士会)
災害時に乳幼児を守るための「栄養ハンドブック」には、乳児(1歳未満のお子さん)の栄養について、母乳・粉ミルク・液体ミルク、ママへのアドバイスについて掲載しています。乳児がいる場合にはぜひご覧ください。
✅水
のどの渇きを感じにくいため、脱水症状になりやすいので水を必ず備蓄しましょう。
✅流動食、やわらか食、とろみ調整食品
高齢者の場合、たんぱく質不足による低栄養が心配されます。これらの食品あるいは離乳食などを活用する等して積極的に食品をとることが大切です。
食事療法を受けている人は毎日の食事が大切です。症状を悪化させないように個人に適した食事を準備しておきましょう。※慢性疾患(腎臓病や糖尿病など)をお持ちの方は、かかりつけ医の指示をうけましょう。
災害時に、アレルギー対応食品を入手するには時間がかることが想定されます。アレルギー対応食品を事前に備蓄しておきましょう。
要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産省)(外部サイトへリンク)
要配慮者の方がいる世帯の家庭備蓄実践事例(農林水産省)(外部サイトへリンク)
避難生活で生じる健康問題を予防するためには、どんなことに注意すればいいかあらかじめ知っておきましょう。また食べることだけでなく、身体を動かすことも大切です。
避難生活では、飲料水の不足やトイレ数の不足から、水分摂取を控えがちです。また食事の量が減ると、水分の摂取量も少なくなりがちです。脱水症状を起こさないためにも意識して水分をとることが大切です。
食べ物が限られていることや、慣れない環境などのために食欲が低下しがちです。体温や身体の筋肉を維持するためにも、提供された食事はしっかり食べましょう。高齢者の方は、ゼリー飲料や栄養素を強化した等が届いたら、積極的に食べるようにしてください。
避難所では生活環境が整わないために、食後の歯磨きやうがい、入れ歯の手入れなどが難しくなりがちですが、口の中の清潔を心がけてください。また、唾液には口の中をきれいに保つ働きがあるので、よく噛んで食べること、お口の体操(健口体操)をお勧めします。食べる、飲み込む機能の低下を防ぐことにもつながります。
災害時のお口のケアについて(厚生労働省)(外部サイトへリンク)
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