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更新日:2023年11月15日

藤沢宿と参詣の旅

 江戸後期になると、庶民による信仰と娯楽を兼ねた旅が流行します。特に「江の島詣(もうで)」は江戸の人々にとって人気の参詣地となりました。

 江の島が人気の参詣地となった理由として、江戸から江の島までの距離が13里(約51㎞)というほど近い位置にあり、往復で3泊4日の行程で、女性でも無理のない旅ができたこと、海に浮かぶ島という風光明媚な景色や新鮮な海産物を味わえること等があげられます。

 江の島に向かう参詣路として、藤沢宿で東海道から分岐して江の島へ向かう「江の島道」があります。分岐となる「江の島一の鳥居」は藤沢宿の名所として浮世絵作品にも多く描かれました。

 

 また、藤沢宿は江の島詣の人々だけでなく、大山詣りの人々の拠点でもありました。藤沢宿の西に位置する四ツ谷の立場は、大山への参詣路である「大山道(田村通り大山道)」の起点でもあるので、藤沢宿は二つの参詣路の拠点が重なり、参詣の人々でにぎわう場所でした。

 

hutaki_sugoroku左の図は魚屋北渓画「東海道歌入双六」の「藤沢」のマス絵です。宿での風呂炊きの風景と、その上部に狂歌が添えられています。その内容は、

「江の嶋に 大山詣 春夏の ふた木はことに さかふ藤沢」

江の島の弁財天の開帳は春、大山の山開きは夏、この春夏の二つの季節に特に藤沢宿は繁盛する、と詠んでいます。(さらに、二つの季節「二季(ふたき)」と風呂の「蓋木(ふたき)」をかけています。)

 大山詣りの帰路に、藤沢宿を経て江の島を参詣するコースも取り入れられたようで、大山詣りの人々も江の島を楽しんだ様子がうかがえます。

 


 


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