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更新日:2024年10月1日

これから木造住宅を建てる人に

~これだけは知っておきたい~10のポイント

1.地盤

これから家を建てる場合、まずよい地盤の敷地を選ぶことが重要です。地盤の状況によって被害にも大きな差が生じます。あらかじめ地盤調査を行なったり、付近の人や昔から住んでいる人などから情報収集することが大切です。

崖崩れ、土石流、津波、洪水などで被害を受けるおそれのある敷地は避けることが大切です。

次のような地盤はできるだけ避け、もし建てる場合は基礎や建物を強固にしましょう。

軟弱地盤

三角州や河川沿いの柔らかい土が堆積した場所で、地震のとき木造住宅は大きく揺さぶられます。

液状化を起こしやすい地盤

粒径が均一な砂質系地盤で水位の高い場所は、液状化現象が起こる可能性があります。このような敷地の場合、鉄筋コンクリート造のべた基礎にすることが有効です。

埋立て地盤

沼、水田、湿地、旧河川跡地、谷、海岸などを埋立てた場所。

地震時に揺れやすく、地割れを生じたりして、建物が足元から壊れる恐れがあります。

山地や丘陵地

山地や丘陵地などを造成した土地(特に盛土)は、不同沈下や地滑りを起こすおそれがあります。

造成後、少なくとも1~2年経って、盛土がよく締まってから建築しましょう。

また、擁壁と基礎の両方をしっかりとしたものにする必要があります。

崖の近接地

崖上では、地盤に亀裂、崩壊といった危険があり、崖下では、土砂崩れや擁壁倒壊のおそれがあり、建物が押しつぶされる危険があります。

しっかりした擁壁を造るか、崖からできるだけ離して建築しましょう。

2.骨組

木造住宅では、丈夫な布基礎の上に土台、柱、桁、梁で造った骨組に筋かいなどの斜材を入れたり、合板等を張ったりして耐震的な構造にします。

木造在来軸組工法

3.建物の形

建物の平面及び立面の形状は地震力が建物の全体に平均的に伝わるように、なるべく単純で、まとまりのよいものにしましょう。

でこぼこの多いもの、細長いものは被害を受けやすくなります。

平面形が凹型の建物は、風圧上からも不利となり、雨漏りを生じやすくなります。

特に増築した部分は、接続部分で亀裂が生じるなどの被害を受けやすいので、十分な補強をしてください。

立面的にも建物に高低差があるなど建物の重さに偏りがあると基礎に対する上部の重さの違いから不同沈下を起こしやすくなりますので注意してください。

4.バランスのよい壁の配置

地震(水平力)に対する抵抗力を高めるために、筋かいや構造用合板で補強した壁(耐力壁)をできるだけ多く、建物全体にバランスよく配置しましょう。

柱と梁だけの建物は、地震力(水平力)が加わると簡単に変形してしまいます。

また、耐力壁は1ヵ所に片寄ることなく、建物全体に釣り合いよく、まんべんなく配置しましょう。

建物は下の階ほど地震力が大きく働きますので、2階より1階の方が多く壁が必要です。

阪神・淡路大震災でも1階に窓を大きくとったり、車庫を設けたりした建物が耐力壁の不足から多くの被害をもたらしています。

5.筋かいや火打ち材の入れ方・合板の張り方

筋かい、方杖、火打ち材などの斜材の多く入った建物は剛な構造となり、地震力による変形を防ぎます。

筋かいはどちらの向きに対しても変形しにくいように、向きが異なるものが一対になるようにできるだけ左右対象に設け、更にたすき掛けに入れると丈夫になります。

また、筋かいは土台、柱、桁または梁からはずれないよう補強金物でしっかり留めましょう。

折角筋かいを入れても接合部がしっかり留まっていないと変形に十分耐えることができません。

耐力壁に使用する合板等は、構造用合板、パ-ティクルボ-ド、石膏ボ-ドなどがあり、JASやJISで品質が決められています。

6.柱の太さ・配置

柱は、屋根や2階の床の重さを支え、土台や基礎に力を伝える大事な部材です。屋根の重さ、柱間隔等によって必要な太さが異なりますので、基準に合った太さの部材を使いましょう。

上階と下階で柱の位置がずれていると荷重が十分に伝わりません。柱にかかる荷重が均等になるように、平面的にもバランスよく配置し、上階、下階ともなるべく同じ位置に設けましょう。

また、建物の四隅の柱は通し柱にしてください。

7.床組

床組の四隅には火打ち材(梁)を入れて、全体が歪まないようにしましょう。

床下地材として構造用合板等を張りつめると、建物を固めるのに大きな効果あります。

吹き抜けは、2階の床に大きな穴をあけることになりますので、耐震上好ましくありません。

8.屋根・重さ

建物を耐震的にするには、建物の荷重を軽くすることが有効です。2階より平屋、重い屋根より軽い屋根の方が有利です。

特に木造住宅では、建物全体の重量のなかで屋根の重量のウエイトが高いため、鉄板葺きやスレ-ト葺き等軽い屋根を使用する方が地震に対しては有利です。

阪神・淡路大震災では、瓦葺き屋根の被害が目立ちましたが、瓦葺き屋根には他の屋根材にない、優れた点(遮音、断熱、耐久性や見ばえ等)が多く、耐風性にも優れています。

瓦葺き屋根を選ぶ場合は、瓦を下地材にしっかり留めるとともに、柱や梁を瓦の重量に耐えられるように太く、強くすることが大切です。

9.基礎と土台

基礎は、建物全体を支え、建物に作用する荷重を安全に地盤に伝え、地盤の沈下、変形に対してたてものを安全に保つための役目があります。

ブロックや玉石の基礎は、地震のとき不同沈下したり、土台がくずれたり、建物全体が回転したりするので好ましくありません。

1階外周壁と内部の主な間仕切り壁の下には、全体が連続した鉄筋コンクリ-ト造の布基礎を設けてください。

基礎の根入れは十分にとり、底面は沈下を防ぐために広くとりましょう。

また、べた基礎(底面全体を鉄筋コンクリ-ト造で造った基礎)にすると布基礎に比べ更に有効です。

土台は基礎の上にあって、柱から伝えられる上部の荷重を基礎に分散して伝える部材です。

地震の揺れで、建物が浮き上がったり、基礎からずれて落ちるのを防ぐために、アンカ-ボルトで基礎にしっかり連結します。

特に、土台端部や、継手付近には必ず設けましょう。

10.防腐・防蟻

構造材の腐れや白アリの被害は耐久性を損ね、地震時に折れたり、落ちたりして被害を大きくする恐れがあります。

木材は乾燥していると腐食しにくく、蟻害も少なくなりますので、床下、小屋裏、天井裏、壁内部の通気をよくし、漏水や雨漏れがないようにしましょう。

土台は、腐食や白アリの被害をうけやすいので、耐久性の高いヒノキやヒバなどの材料を使用し、防腐・防蟻処理しましょう。

土台以外でも、構造上主要な部材である柱、筋かい等で地盤面からの高さが1M以内の部分にも、防腐・防蟻処理を施しましょう。

日当たりや通風が悪く、風雨のあたりやすい場所は、腐りやすいので注意しましょう。

雨漏れや漏水がないようにし、雨樋等が破損したらなるべく早く修繕しましょう。

台所、浴室、便所などの水回りは、特に換気や防腐に注意しましょう。

  • 床下換気口は5m以内に設け、300平方センチメートル以上にします。
  • 土台、床組は基礎のせいを高くして、地盤からの吸湿を防ぎます。
  • 小屋裏換気のため、有効な小屋裏換気口を設けます。

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計画建築部 建築指導課

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