0466-25-1111
窓口混雑状況
ここから本文です。
更新日:2024年4月23日
(2000年4月1日広報ふじさわ臨時号)
引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議(環境庁・神奈川県・藤沢市)
引地川ダイオキシン汚染庁内対策本部(藤沢市)
藤沢市内の引地川水系稲荷雨水幹線で、高濃度のダイオキシン類汚染事件が発生しました。
この事件をめぐる主な経過は次の通りです。
「平成10年度環境庁ダイオキシン類緊急全国一斉調査」の結果が環境庁から公表され、引地川富士見橋(河川水)のデータは下記のとおりであった。
1998年8月24日採水分:4.5pg-TEQ/L、1998年12月10日採水分:2.5pg-TEQ/L
上記を受けて、市独自に引地川の上流、下流3地点で10月6日に採水し、その結果、上流に比べて、下流の富士見橋の測定値が高かった。
富士見橋:8.1pg-TEQ/L、蓼中橋:1.1pg-TEQ/L、長後天神添橋:0.33pg-TEQ/L
さらに市独自で引地川への全流入水を調査した結果、稲荷雨水幹線出口で採水した排水のデータ(速報値)が異常に高いことがわかった。
2000年1月26日採水分:3200pg-TEQ/L、2000年2月16日採水分:8100pg-TEQ/L
前日の速報値を県、環境庁に報告した。また、稲荷雨水幹線に入り込む枝管渠を調査の結果、(株)荏原製作所藤沢工場からの排水に原因があるのではないかとの疑いがもたれた。
(株)荏原原製作所藤沢工場に県と市が合同で立ち入りし、工場内の雨水排水管渠の経路を調査した。その結果、稲荷雨水幹線に当工場の焼却炉の排ガス洗浄水が流れ込んでいることが判明した。このため、即時に焼却炉の運転停止およびその排ガス洗浄水の排出停止を指示した。
(株)荏原製作所藤沢工場に環境庁、県、市が合同で立ち入り調査し、焼却炉および焼却炉の排ガス洗浄施設が停止していることを確認した。
問題の発生源施設は、すでに停止されています。
このような事態が発生し、市民の皆様に不安を与えたことは、誠に残念なことと考えております。
事件判明後の3月24日夜および、25日朝に環境庁、神奈川県、(株)荏原製作所、藤沢市が相次いで記者発表を行い、マスコミを通じて、汚染状況と対応をいち早く市民の皆様にお知らせしてまいりました。
また、3月25日には市長を本部長とする対策本部を設置し、情報収集や市民からの問い合わせについて対応するとともに、引地川周辺のパトロールを行い、川遊びや魚釣りをしている方々に状況を説明し、御協力をお願いしております。
一方、水質のダイオキシン類の調査については、焼却炉からの排水停止後の水質を確認するため、3月26日に富士見橋と稲荷雨水幹線出口水を採水し、現在分析を行っています。
また、環境庁、神奈川県、本市とで「引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議」を設置し、さまざまな環境調査(河川や海域の水質、底質、魚類、川沿いの井戸水、農作物等)に着手しております。結果が出るのは、1カ月ほどかかりますが、結果が分かり次第、皆様にお知らせしてまいります。
今後の対応につきましては、上記連絡調整会議と本市対策本部との連絡を密にし、1日も早く安全宣言が出来るよう万全の対策をとってまいります。
環境庁と藤沢市の調査により、これまでに分かったダイオキシン類の水質状況は次の通りです。
※公表とは、環境庁の発表をいい、報告とは藤沢市の調査結果を示します。
※TEQ(毒性等量)とは、異なるダイオキシン類の毒性を、最も毒性が強い2,3,7,8-TeCDDの量に換算した値です。
1999年7月16日に公布されたダイオキシン類対策特別措置法では、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)にこれらと同様の毒性を示すコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を含めて”ダイオキシン類”と定義されています。
ダイオキシン類は下図のように、基本的には炭素で構成されるベンゼン環が2つ、酸素が結合したりして、それに塩素が付いた構造をしています。図の1~9の位置には塩素または水素が付いていますが、塩素の数や付く位置によっても形が変わるので、PCDDは75種類、PCDFは135種類、コプラナーPCBは数十種類の仲間があります(これらのうち毒性があるとみなされているのは29種類です)。
PCBsの中で2つのベンゼン環が同一平面上にあって扁平な構造を有するものを「コプラナーPCB」といいます。
なお、PCBsの中には、同一平面上にない構造を有するものについてもダイオキシンと似た毒性を有するものがあり、我が国では現在、これらも併せてコプラナーPCBとして整理しています。
ダイオキシン類は、通常は無色の固体で、水に溶けにくく、蒸発しにくいという性質を持つ一方、脂肪などには溶けやすいという性質を持っています。また、ダイオキシン類は、太陽光の紫外線で徐々に分解されるといわれています。
ダイオキシン類は、「青酸カリよりも毒性が強く、人工物質としては最も強い毒性を持つ物質である」といわれることがありますが、これは、日常の生活の中で摂取する量の数十万倍の量を摂取した場合の急性毒性のことです。
実際に環境中や食品中に含まれる量は極微量ですので、私たちが日常の生活の中で摂取する量により急性毒性が生じるようなことは考えられません。
日本人の一般的な食生活で取り込まれるダイオキシン類の量は、厚生省の調査(一日摂取量調査)では、人の平均体重を50kgと仮定して体重1kg当たり約2.0pgと推定されています。そのほか、呼吸により空気から取り込む量が約0.07pg、手についた土が口に入るなどして取り込まれる量が約0.0084pgと推定され、食物から体内に取り込まれる場合がほとんどです。
微量物質のための単位
ng(ナノグラム)=10-9g(10億分の1グラム)
pg(ピコグラム)=10-12g(1兆分の1グラム)
東京ドームに相当する体積の入れ物を水でいっぱいにした場合の重さが約1012tです。このため、東京ドームに相当する入れ物に水を満たして角砂糖1個(1g)を溶かし、その水1ccに含まれている砂糖が1pg(ピコグラム)になります。
質問 |
回答 |
---|---|
引地川で遊んでも大丈夫か。 |
念のため川から出た後は水道水で体を洗い流してください。 |
JR下の親水広場は大丈夫か。 |
親水広場の水は水道水を使用していますので、問題ありません。 |
川の近くの畑で作物を作っているが大丈夫か。農産物等の調査をしてほしい。 |
高名橋から下流の水は農業水等に使用されておりませんので、農作物等への影響はないと考えておりますが、念のために調査を実施します。 |
引地川のコイ等魚などに影響はないのか。 |
神奈川県などが調査中です。魚にどのような影響があるかは現在わかりませんが、引地川の魚を食べるのは控えたほうがよいと思います。 |
海で遊んでも大丈夫か(サーフィンなど)。 |
環境庁が3月27日に発表した昨年10月の相模湾(辻堂沖)の調査結果では、水質環境基準の1ピコグラムより低い0.07ピコグラムという値であり、特段心配はないと考えています。 |
相模湾で捕れた魚(シラスなど)は安全か。 |
相模湾で漁獲される魚は、ほとんどが外洋から相模湾に回遊してくるものです。シラスについても伊豆諸島周辺の海域で生まれ、1~2ヵ月後相模湾に来遊して漁獲されます。環境庁が3月27日に発表した相模湾のシラスは、1グラムあたり0.4ピコグラムと極めて低く、その他の魚も相模湾の水質のダイオキシン濃度が十分に低いので問題ないと考えておりますが、念のため調査を行っています。 |
自宅の井戸水は飲んでも大丈夫か。 |
ダイオキシンは水に溶けにくく、水の中の浮遊物などに吸着しやすいことから、川の水が井戸に届くまでに土の中などで、ろ過されるため、問題ないと思いますが、川沿いの井戸をお持ちの方は、状況がはっきりするまでは飲まないほうがよいと思います。 |
大気中のダイオキシンは大丈夫か。 |
平成11年度、市内4ヵ所(市役所、湘南台文化センター、御所見小学校、明治市民センター)で調査しておりますが、いずれの結果(年4回)も大気環境基準値の0.6ピコグラムを下回っています。今回の事件の影響は考えられません。 |
健康調査(血液検査や健康診断など)は実施しないのか。 |
引地川ダイオキシン汚染事件対応調整会議の報告をまって決定してまいります。 |
ダイオキシンの調査をもっと早くできないのか。 |
ダイオキシンの分析は、試料採取してから結果がでるまでに1ヵ月から2ヵ月ほどかかります。 |
情報の発信元
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください